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外国会社の認可制度についての法改正

 台湾《会社法》は大幅な法改正がなされ、2018年7月6日に国会により可決・成立し、8月1日に公布された。その中で、外国会社が注目すべき改正点があった。

 まず、商業登記における外国会社の名称について、法改正以後、台湾で用いる繁体字中国語で表記しなければならないという原則は崩さないが(改正法第18条)、この度の法改正で、外国語名称も登記簿に掲載するよう所管行政庁に申請できるようになる(新設、第392条の1)。当該外国語の種類については、後ほど政令で定められる。

 更に、より重要な改正としては、外国法に準拠して設立され、当設立準拠法により法人格を与えられた外国会社は、台湾において所謂「外国会社認可手続き」を受けておかなくても、法令の制限内において、内国会社と同一の権利能力を取得することとなる(改正法第4条)。

 この度の法改正以前、即ち現行法において、認可手続きを進めていない外国会社(以下、無認可外国会社という)は、互恵条約が結ばれている相手国に属する法人に該当しない限り、原則として、権利能力を有しないとされてきた。このため、無認可外国会社が法律行為をなすことができるか、または訴訟の当事者となることを認められるか否かが、問題となっていた。

 前者の問題については、法令ごとに参照しなければならず、一概には言えない。例えば、無認可のままである限り、土地の所有権の登記名義人として認められない。また、互恵条約が結ばれている相手国に属する無認可外国会社以外、倒産担保登記の名義人としては認められない。しかし、通常の取引行為をなす時に、台湾の実務裁判例により、無認可外国会社が当該法律行為により請求をすることはできると認められている。

 後者の問題につき、民事事件において、代表者や管理者の定めがあるものは、「非法人団体」に該当し、当事者能力を有するとされている。

 一方、刑事事件において、知的財産権関係の法律における別段の規定(《商標法》第99条、《著作権法》第102条、《公正取引法》第47条)がある場合を除き、多数の裁判所の判例において、刑事告訴と自訴(弁護士を訴訟代理人としての私人による訴追)をすることは認められないとされてきた。無認可外国会社は、告発しかできず、いざ検察官により不起訴処分が下されても、「再議」制度により救済を求めることはできないのである。

 改正法の施行期日はおって政令で定めるとされており、後日施行することになれば、建前としては、無認可外国会社も権利能力を獲得することとなり、訴訟行為を行うこともできそうであるが、やはり、当該施行に伴うその他の関係法律の整備や改正、及び行政の公式見解をも鑑みた上で、初めて具体的な運営状況を正確に把握できるのであろう。

 一例を挙げると、“無認可外国会社により行われた法律行為が当該法人の名義によるものであった場合、行為者である自然人は、当該法律行為につき、当該法人と連帯責任を負わなければならない(《民法総則施行法》第15条)”という規定が、この度の法改正と相まって、どのような調整作業が行われるのかは、暫く動向を見守っていかなければならない。

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