| 第一条 |
営業秘密を保障し、産業倫理と競争秩序を維持し、社会と公共の利益を調和するために、この法律を制定する。この法律に定めがない場合、他の法律の規定を適用する。 |
| 第二条 |
この法律において営業秘密とは、方法、技術、製造工程、調合、プログラム、設計その他生産、販売、又は経営に用いられる情報であり、左記の要件に該当するものを指す。
一 一般的にその類の情報に係る者が知らないもの
二 その秘密性により実際の、又は潜在的な経済的価値を備えるもの
三 所有者が既に合理的な秘密保持措置を取ったもの |
| 第三条 |
被雇用者が職務上研究又は開発した営業秘密は、雇用者の所有に帰する。但し、契約に別段の約定がある場合、その約定に従う。
被雇用者が非職務上研究又は開発した営業秘密は、被雇用者の所有に帰する。但し、その営業秘密が雇用者の資源又は経験を利用したものである場合、雇用者は、合理的な報酬を支払った後、その事業においてその営業秘密を使用することができる。 |
| 第四条 |
出資招聘して他人を研究又は開発に従事させた営業秘密につき、その営業秘密の帰属は契約の約定に従う。契約に約定がない場合、被招聘者の所有に帰する。但し、出資者は業務においてその営業秘密を使用することができる。 |
| 第五条 |
数人が共同で研究又は開発した営業秘密につき、その持分は契約の約定に従う。約定がない場合、均等と推定する。 |
| 第六条 |
営業秘密は、その全部又は一部を他人に譲渡又は共有することができる。
営業秘密を共有する場合、営業秘密に対する使用又は処分につき、契約に約定がない場合、共有者全員の同意を得なければならない。但し、各共有者に正当な理由がない場合、同意を拒絶してはならない。
各共有者は、他の共有者の同意を経ずにその持分を他人に譲渡してはならない。但し、契約に別段の約定がある場合、その約定に従う。 |
| 第七条 |
営業秘密の所有者は、その営業秘密の使用を他人に許諾することができる。その使用許諾の地域、時間、内容、使用方法その他の事項については、当事者の約定に従う。
前項の被許諾者は、営業秘密の所有者の同意を経ずにその使用が許諾された営業秘密を第三者に使用を再許諾してはならない。
営業秘密の共有者は、共有者全員の同意を経ずに他人にその営業秘密の使用を許諾してはならない。但し、各共有者に正当な理由がない場合、同意を拒絶してはならない。 |
| 第八条 |
営業秘密を質権又は強制執行の対象としてはならない。 |
| 第九条 |
公務員が公務の執行により他人の営業秘密を知り又は所持した場合、それを使用し、又は理由なしに漏洩してはならない。
当事者、代理人、弁護人、鑑定人、証人その他の関係者は、司法機関の取調べ又は審理により他人の営業秘密を知り又は所持した場合、それを使用し、又は理由なしに漏洩してはならない。
仲裁人及びその他の関係者が仲裁事件を処理するに際して、前項の規定を準用する。 |
| 第十条 |
左記の情状のいずれかである場合、営業秘密の侵害に該当する。
一 不正な方法により営業秘密を取得した場合。
二 前号の営業秘密であることを知り又は重大な過失で知らずに、取得、使用又は漏洩した場合。
三 営業秘密を取得した後、それが第一号の営業秘密であることを知り又は重大な過失で知らずに、使用又は漏洩した場合。
四 法律行為により営業秘密を取得したにもかかわらず、不正な方法で使用又は漏洩した場合。
五 法令により営業秘密を守る義務があるにもかかわらず、使用又は理由なしに漏洩した場合。
前項の不正な方法は、窃盗、詐欺、脅迫、賄賂、無断複製、守秘義務の違反、他人を勧誘して守秘義務に違反させること、又はその他これらに類似する方法を指す。 |
| 第十一条 |
営業秘密が侵害された場合、被害者はその排除を請求することができる。侵害されるおそれがあるとき、侵害の防止を請求することができる。
被害者が前項の請求をなす場合、侵害行為により作成された物又は侵害行為のみに供された物につき、廃棄その他の必要な処置を請求することができる。 |
| 第十二条 |
故意又は過失により不法に他人の営業秘密を侵害した者は、損害賠償責任を負わなければならない。数人が共同で不法に侵害した場合は、連帯して賠償責任を負わなければならない。
前項の損害賠償請求権は、請求権者が行為及び賠償義務者を知った時から二年間に行使しないことにより消滅する。行為の時から十年を経過した場合も亦同じである。 |
| 第十三条 |
前条により損害賠償を請求する場合、被害者が左記の各号の規定のいずれかを選定し請求することができる。
一 民法第二百十六条の規定により請求する。但し、被害者がその損害を証明できない場合、それを使用するときに通常の情状により予期できる利益から、侵害された後同一の営業秘密を使用することにより取得した利益を差し引いて得た差額を被った損害とみなす。
二 侵害者がその侵害行為により得た利益を請求する。但し、侵害者がそのコストと必要費用を証明できない場合、その侵害行為により得た全ての収入をその得た利益とみなす。
前項の規定により、侵害行為が故意に基づいてなされた場合、裁判所は被害者の請求に基づき、侵害の情状により損害額以上の賠償を酌量して定めることができる。但し、既に証明された損害額の三倍を超えてはならない。
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| 第十三条の一 |
自己若しくは第三者の不法利益を図り又は営業秘密の所有者の利益を損害することを意図し、次に掲げる情状のいずれかがある場合、五年以下の有期懲役又は拘留に処し、台湾元一百万元以上一千万元以下の罰金を併科することができる。
一 窃取、横領、詐術、脅迫、無断複製その他の不正な方法により、営業秘密を取得し、又は取得した後使用、漏洩した場合。
二 営業秘密を知り又は所持しながら、許諾を経ず又は許諾の範囲を超えてその営業秘密を複製、使用又は漏洩した場合。
三 営業秘密を所持しながら、営業秘密所有者がそれを削除、廃棄するよう告知した後、その営業秘密を削除、廃棄せず又は隠蔽した場合。
四 他人が知り又は所持する営業秘密に前三号に掲げる情状があることを知りながら、それを取得、使用又は漏洩した場合。
前項の未遂犯は処罰する。
罰金を科するとき、犯罪行為者が得た利益が罰金の最高額を超える場合、その得た利益の三倍の範囲内で斟酌して加重することができる。 |
| 第十三条の二 |
外国、中国、香港又はマカオで使用することを意図し、前条第一項各号の罪を犯した場合、一年以上十年以下の有期懲役に処し、台湾元三百万元以上五千万元以下の罰金を併科することができる。
前項の未遂犯は処罰する。
罰金を科するとき、犯罪行為者が得た利益は罰金の最高額を超える場合、その得た利益の二倍から十倍までの範囲内で斟酌して加重することができる。 |
| 第十三条の三 |
第十三条の一の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
共犯の一人に対し告訴し、又は告訴を取り下げた場合、その効力は他の共犯に及ばない。
公務員又は公務員を任じた者が職務により他人の営業秘密を知り又は所持しながら、故意により前二条の罪を犯した場合、その刑の二分の一を加重する。 |
| 第十三条の四 |
法人の代表者、法人若しくは自然人の代理人、被雇用者又はその他の従業員が、業務の執行により第十三条の一、第十三条の二の罪を犯した場合、それらの条文の規定によりその行為者を処罰するほか、その法人又は自然人にもその条文における罰金を科する。但し、法人の代表者又は自然人が犯罪の発生に対し防止行為に尽くした場合はこの限りでない。 |
| 第十三条の五 |
認可されていない外国法人は、この法律に規定する事項について告訴、私訴又は民事訴訟を提起することができる。 |
| 第十四条 |
裁判所は営業秘密に係る訴訟事件の審理において、専門法廷を設置し又は専任者を指定して処理させることができる。
当事者が提出した攻撃若しくは防御の方法が営業秘密に係る場合、当事者の申立を経て裁判所が適当と認める場合、審判を公開しないこと、又は訴訟資料の閲覧を制限することができる。 |
| 第十四条の一 |
検察官は営業秘密事件に当たり、捜査の必要があると認める場合、捜査内容に触れる被疑者、被告人、被害者、告訴人、告訴代理人、弁護人、鑑定人、証人又はその他関連する者に対し、捜査秘密保持命令を発することができる。
捜査秘密保持命令を受けた者は、当該捜査内容について、次に掲げる行為をしてはならない。
一 捜査手続の実施以外の目的に使用する。
二 捜査秘密保持命令を受けていない者に開示する。
前項の規定は、捜査秘密保持命令を受けている者が、捜査前にすでに当該捜査内容を取得又は保有していた場合、これを適用しない。 |
| 第十四条の二 |
捜査秘密保持命令は、書面又は口頭で行わなければならない。口頭の場合は、対面で告知して調書に記載しなければならず、かつ、営業秘密の所有者に意見陳述の機会を与えることができる。さらに、七日以内に別途書面で捜査秘密保持命令を作成する。
前項の書面は、捜査秘密保持命令を受ける者に送達し、また、営業秘密の所有者に通知しなければならない。送達及び通知の前に、営業秘密の所有者に意見陳述の機会を与えなければならない。但し、すでに前項の規定により、営業秘密の所有者に意見陳述の機会を与えた場合は、この限りでない。
捜査秘密保持命令が書面でなされた場合は、捜査秘密保持命令を受ける者に送達した日から発効する。口頭でなされた場合は、告知した時から発効する。
捜査秘密保持命令には、次に掲げる事項を明記しなければならない。
一 捜査秘密保持命令を受ける者。
二 秘密保持すべき捜査内容。
三 前条第二項に掲げる禁止又は制限行為。
四 違反効果。
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| 第十四条の三 |
捜査中に秘密保持を受けるべき原因が消滅、又は捜査秘密保持命令の内容に変更の必要がある場合、検察官は職権により当該捜査秘密保持命令を取消又は変更することができる。
事件が起訴猶予処分若しくは不起訴処分が確定し、又は捜査秘密保持命令が起訴効力の及ぶ部分でない場合、検察官は職権により、又は捜査秘密保持命令を受ける者の申立により、当該捜査秘密保持命令を取消若しくは変更することができる。
検察官は、前二項の捜査秘密保持命令の取消又は変更の処分を下すために、捜査秘密保持命令を受ける者及び営業秘密の所有者に意見陳述の機会を与えることができる。当該処分は、書面をもって捜査秘密保持命令を受ける者及び営業秘密の所有者に送達しなければならない。
事件の起訴後、検察官は捜査秘密保持命令の起訴効力が及ぶ部分について、営業秘密の所有者、及び捜査秘密保持命令を受ける者に通知し、並びにそれらの秘密保持命令と捜査秘密保持命令に関する権益について告知しなければならない。営業秘密の所有者又は検察官は、知的財産案件審理法の規定に基づいて、裁判所に秘密保持命令の発令を申立てることができる。捜査秘密保持命令の起訴効力が及ぶ部分は、その申立ての範囲内につき、裁判所の決定が確定した日から失効する。
事件の起訴後、営業秘密の所有者又は検察官が、事件が裁判所に係属した日から三十日以内に裁判所に対し秘密保持命令を申立てていない場合、裁判所は捜査秘密保持命令を受ける者又は検察官の申立てにより、捜査秘密保持命令を取消すことができる。捜査秘密保持命令の起訴効力が及ぶ部分は、裁判所の取消し範囲内につき、裁判所の決定が確定した日から失効する。
裁判所は前項の決定を下す前に、先に営業秘密の所有者及び検察官の意見を 聴取しなければならない。前項の決定は、営業秘密の所有者、捜査秘密保持命令を受ける者、及び検察官に送達しなければならない。
捜査秘密保持命令を受ける者、又は営業秘密の所有者は、第一項及び第二項における検察官の処分に対し、不服申立てをすることができる。検察官、捜査秘密保持命令を受ける者又は営業秘密の所有者は、第五項の裁判所の決定に対し、抗告することができる。
前項の不服申立て及び抗告の手続は、刑事訴訟法第四百三条から第四百十九条の規定を準用する。 |
| 第十四条の四 |
捜査秘密保持命令に違反した場合、三年以下の有期懲役、拘留、若しくは百万台湾元以下の罰金に科し、又は併科する。
違反偵査保密令者,處三年以下有期徒刑、拘役或科或併科新臺幣一百萬元以下罰金。
外国、中国、香港又はマカオで捜査秘密保持命令に違反した場合、犯罪地の法律の処罰規定の有無に係わらず、前項の規定を適用する。 |
| 第十五条 |
外国人の属する国と中華民国が共同で営業秘密保護の国際条約に加入していない場合、営業秘密を保護する相互の条約若しくは協定がない場合、又はその国の法令により中華民国国民の営業秘密が保護されない場合、その営業秘密を保護しないことができる。 |
| 第十六条 |
この法律は公布日より施行する。 |