台湾専利法第32条は、ある種の特殊な出願の態様を規定しており、出願人は同一の発明・考案について、同日に発明専利(特許)及び新型専利(実用新案)の出願をすることができる。その際、出願人はこの二つの出願案において、このような出願をしていることを声明しなければならない。台湾の知的財産局(以下、知財局と称する)は新型専利について方式審査のみを行うので、通常、出願人は出願後の半年頃に新型専利権を取得することができる。一方、その後に発明専利の出願が実体審査を経て知財局に許可された場合、出願人は、発明専利と新型専利のどちらを存続させていくかを選択しなければならない。このような出願態様は、台湾の中国語で俗に「一案両請」と呼ばれている。
しかし、このような出願態様から、新型専利が許可・公告された後、その発明・考案に専利性がないと考える第三者(例えば競合他社)がいるかもしれない。このような第三者は、新型専利に対し無効審判の提起、若しくは技術評価書の申請をするほか、ひいては先行技術の文献を知財局に提供し、発明専利を拒絶させようとする場合もある。。第三者が如何に新型専利の出願と共に発明専利の出願がされたことを知ることができるか、発明専利の出願が公開されていない時に知財局がどのように第三者の意見に対処すべきかについて、有識者の意見が分かれている。知財局は最近の公開会合で、知財局が許容できる対処法について、下記のように説明している。
- 新型専利が許可・公告された際、その同日に出願された発明専利はまだ早期公開されておらず、且つ実体審査を受けていないため、新型専利の公報にてその発明専利の出願番号を公開することはよろしくない。但し、発明専利の出願の存在を第三者に知らせるために、新型専利の登録公報、又は台湾の専利検索システムに収録されるその新型専利の登録情報のページに「一案両請」という目立つ注記を掲載する。
- 「一案両請」の発明専利の出願について、その発明専利の出願が公開される前に能動的にその専利性に対する意見を知財局の審査官に提供したい第三者がいれば、その第三者はその新型専利の出願番号又は証書番号を明記する上で知財局に意見を寄せることができる。知財局がその意見を受けた後、対応の発明専利の出願番号を確認し、審査時の参考としてその出願を審査する審査官に伝える。
上記の対処法は、発明専利審査の質の向上に資するのみならず、随時競合他社の専利の布石に注意を払い、もしくは競合他社に専利権を主張される可能性のある業者にとって、前もって競合他社の発明専利の出願、又は発明専利そのものにチャレンジする方法であるとも言える。それと同時に、このメカニズムを通じてその発明専利の出願の専利性にチャレンジできれば、早期に新型専利権者が権利を主張するのを阻止することも可能である。
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