台湾の「専利権侵害判断要領(中国語:『專利侵權判斷要點』)」によれば、一般消費者が商品を選択購入する消費形態とは、肉眼で直接観察して購入したい商品を比較することである。
もしこれらの商品の一般消費者が通常、機械を用いて商品を観察する必要がある場合(例えば、ダイヤモンドや発光ダイオード等)、判断時に機械を用いて被疑侵害対象を観察して係争専利と比較を行うことができるとされている。
しかし、極めて小さなものについて権利侵害を構成するか否かを判断する場合、どのような方法や基準に基づいて比較すべきか、明確な規範は無い。
近頃、ある設計専利の侵害事件の判決において、裁判所は、体積が非常に小さい物品の設計専利侵害を判断する場合の比較方式について見解を示した。
該判決の紛争の発端は、発光ダイオードの外観設計の専利権者(原告)が、被告が販売した係争製品がその専利権を侵害したと指摘したことであった。紛争の過程において、原告は係争製品を電子顕微鏡で撮影した写真を係争専利と比較し、係争製品と係争専利の外観が同一又は類似であることを主張した。
これについて、裁判所は次のように認めている。
「発光ダイオードの一般的なサイズは、3030、5050、2835等の規格(前2つの数字が長さで、後ろ2つの数字が幅)であり、5050を例とすると、実際のサイズは5㎜×5㎜であるべきだが、係争専利の図面は正方形の外観で、実測寸法は100㎜×100㎜で、20倍に拡大して観察している。そして、原告が提出した係争製品の拡大写真は、それぞれ12倍、25倍、75倍等に拡大して観察していることになる。
しかし、比較の対象は両者とも同率か近い倍率で観察すべきであり、係争専利を20倍に拡大し、係争製品を75倍に拡大して相互に観察比較をすることは、明らかに不合理かつ不適切で、異なるベースを倍数拡大した比較方式である。」
この他、原告が三次元測定機で輪郭を観察分析したことについて、裁判所は、次のように述べている。
「係争専利と係争製品の外観が同一又は近似であるかについては、やはり視覚的な訴えを原則とすると共に、同じ倍数拡大をした写真又は画像を肉眼で直接観察比較する方式を根拠とすべきである。
3Dレーザースキャナーにより作成した輪郭図の測定分析内容は、一般程度の知識と認知能力しか持たない一般消費者が直接観察して理解する範囲を超えている。
このため、当該報告書は専門家が接触・理解できる(レベルの)分析結果の、専門的な報告書と言える。」
判決の内容から分かるように、設計専利の権利侵害を比較する時に、機械を用いて拡大図を撮影することはできるが、当該拡大図の比較をする時は、同率又は近い倍率で比較すべきであり、機械で微細な差異を拡大して観察することは避け、やはり肉眼で直接観察比較すべきである。
また、本件の「一般消費者」とは、LEDパッケージチップの購入者や、そのチップをプリント基板に溶接加工する加工製造者といった、発光ダイオードを購入又は使用する必要がある者であり、普通の知識を持ち、一般程度の注意を払う認知能力を持っているに過ぎないため、機械で得られた輪郭図の測定分析内容は「一般消費者」の能力を超えており、比較時に用いることはできない。
上記の見解は、将来的に極小物品の権利侵害判断を行う際、参考とすることができるだろう。
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