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ドメイン名紛争の異議の申立要件は商標登録に限られない

 海外の商標権者の商標が、他人に国別コードトップレベルドメイン(ccTLD)を「.tw」とするドメイン名を先取り登録されたとき、該先取り登録人(乙)のドメイン名登録が次の各号に当てはまる場合であれば、申立人(甲)は、TWNIC公布の「財団法人台湾インターネット情報センタードメイン名紛争処理規則」第5条第1項の規定に基づき、紛争処理機構に異議を申立てることができる。
 1. ドメイン名が申立人の商標・標章・氏名・社名又はその他の標識と同一又は近似で、混同誤認を生じさせるとき。
 2. 乙がそのドメイン名について権利又は正当な利益が無いとき。
 3. 乙がそのドメイン名を悪意で登録又は使用するとき。
 
 上述の第1号でいう“商標・役務標章”が登録を受けているものに限られるか否かについて、実務上では明確な見解が出されていなかった。しかし、近頃弊所が香港の「電視廣播有限公司(Television Broadcasts Limited)」の依頼により申立をした、ドメイン名『myTV.tw』の先取り登録事件において、「財團法人資訊工業策進會(財団法人情報工業策進会、略称:資策会)」は、「いわゆる“商標”とは、登録を受けているものに限らず、事実上“商標”となっていればよい」との見解を明確に示し、2014年11月17日にドメイン名を甲に譲渡すべきとの決定を下した。
 
 決定書の中で、資策会は次のように指摘している。

 甲は2012年1月16日・2013年6月13日・2014年5月28日に香港・中国・台湾で次々と商標『MYTV』を登録出願した。実際に商標が登録を受けた日は乙がドメイン名を出願した2013年5月24日より遅いものの、甲は2008年11月にはインターネットTVチャンネルで商標として使用しており、台湾等でインターネット利用者が目にすることができる状況にあった。これは事実上甲の商標となっていたと言え、「処理規則」でいうところの“商標・役務標章”に合致する。乙は甲からの権利許諾を受けずにドメイン名『myTV.tw』を先取りし、しかもウェブサイト上で「Mytv離港版」と呼びかけ、更にはインターネット上で甲が収録・出品又は放送する番組を提供していた。これはすでに甲の正常な商業活動を妨げており、乙がドメイン名『myTV.tw』に対し権利又は正当な利益が無く、悪意で該ドメイン名を登録又は使用していたと言える。従って、異議の申立は成立すると認定でき、ドメイン名は甲に譲渡すべきである。
 
 資策会の上記見解は、WIPOが発行した「ドメイン名紛争統一処理方針(UDRP処理方針)」における見解と一致している。ドメイン名を先取りされた海外の商標権者の権益を万全に保護しており、肯定されるべきものである。

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