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記述的商標が長期かつ広範な使用を経てもセカンダリーミーニングを取得できない場合があるとした事例

    台湾商標法では、指定商品又は指定役務の品質、用途、原料、産地又は関連特性の記述のみからなる商標は登録できないと規定されている一方、長期に渡り使用を繰り返すことにより、需要者にその商品又は役務を連想させることができ、セカンダリーミーニングが生じた場合は、例外的に商標の特性を有することを認め、登録することができると規定されている。したがって、当該規定によれば、先天的識別力を有しない商標であっても、長期かつ広範な使用を経れば、需要者に商品の出所であると認識させることができ、後天的識別力(すなわちセカンダリーミーニング)を取得することができるはずであるが、最高行政裁判所は、最近の裁定において、記述的商標が長期かつ広範な使用を経てもセカンダリーミーニングを取得できない場合があり、実際の使用態様に基づき判断しなければならないとする知的財産及び商事裁判所並びに知的財産局の意見を支持した(最高行政裁判所111年度上字第840号裁定、裁定日2022年12月22日)。

    本件行政訴訟の上告人である商標出願人は、2008年5月8日に、第29類の「水産物(生きているものを除く。),えび(生きているものを除く。),えびのむき身」等を指定して、「藍鑽蝦 Blue Diamond Shrimp デザイン図」商標を出願した。知的財産局は、当時、「藍鑽蝦」(Blue Diamond Shrimpの中国語)はえびの品種であるから、指定商品の説明にあたり、先天的識別力を有しないところ、出願人の提出した使用資料はセカンダリーミーニングの取得を証明するには足りないとして、拒絶査定した。そこから10年後、出願人は、2019年5月23日に、上記と同様の商品を指定する「藍鑽蝦」文字を含む商標3件を再び出願した。出願人は、「藍鑽」が指定商品の説明文字にあたらず、先天的識別力を有することのほか、10年に渡る広範な使用により、需要者は既に「藍鑽蝦」に依拠して商品の出所を区別できており、セカンダリーミーニングを取得していることを主張したが、知的財産局は、同様に拒絶査定した。出願人は、これを不服として商標1件について行政救済を求めた。

    本件は、最近になって最高行政裁判所に上訴されたが、同裁判所は下級審の判決を維持し、上告棄却の裁定を下した。同裁定において、最高行政裁判所は、前審判決及び知的財産局の意見を支持し、「藍鑽蝦」は確かに指定商品の説明であり、先天的識別力を有しないとした。そして、「藍鑽蝦」が既にセカンダリーミーニングを取得したとの主張に対しては、裁判所は、出願人の使用資料は「藍鑽蝦」を商品名称又は商品の説明として販売・マーケティングしていることを示しており、商品の出所を識別するための商標としては使用しておらず、関連需要者は「藍鑽蝦」を商品の成分、原料及び関連する特性の説明であると認識しているとして、これを否定した。

    裁判所の上記判断を踏まえ、商標権者は、今後、商標を使用する際、使用する態様が商標にあたり、商品又は役務の名称又は説明にあたらないことを確認する必要があるであろう。これを怠れば、記述的文字又は図形の長期かつ広範な使用を経ても、商品又は役務の出所を区別する機能を持つことはできず、セカンダリーミーニングを取得することはできないおそれがあることに留意されたい。

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