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バーチャルな専利証書番号の表示に対する裁判所の見解

    台湾の専利法第98条は、「専利に係る物には専利証書の番号を表示しなければならない。専利に係る物に表示することができない場合、ラベル、包装、又は他人に認識させるに足りる明瞭な方式で表示することができる。表示をしなかった場合、損害賠償を請求するときに、侵害人が専利に係る物であることを明らかに知っていた、あるいは知ることができたことを立証しなければならない」と規定している。これにより、侵害訴訟において損害賠償を請求する際の立証責任を軽減させるために、専利証書の番号を表示することは大変重要である。

    だが、科学技術の発展につれ、電子製品の小型化が絶え間なく進んでいるため、専利に係る物のサイズや性質によっては、専利に係る物又はその包装に専利証書の番号を表示することが非常に困難となる場合がある。そこで、実務上、表示のコストを大幅に減らし、且つ専利の状態を随時更新できるようにするために、ウェブページに専利証書の番号を表示する業者が増えてきている。しかし、専利法第98条における「他人に認識させるに足りる明瞭な方式で表示する」といった不確定概念が、ウェブサイトにおけるバーチャルな表示をも含むのであろうか。かつて台湾の知的財産及び商事裁判所は、以下の判決でこの論題に対する見解を示している。

    知的財産及び商事裁判所の100年度民専上更(一)字第12号民事判決では、専利証書の番号がその専利に係る物を販売するウェブページに表示されていた上、専利に係る物品の外側の包装における中国語ラベル、及び製造者の社名が記載されていたことが証拠で証明済みであるとして、専利権者が専利法第98条の専利証書の番号を表示する義務を尽くし、被告が損害賠償責任を負わなければならないとした。

    一方、別件の民事判決(99年度民専上字45号)では、専利証書の番号が製品のウェブページに表示されていたものの、専利に係る製品の写真には商標しか表示されておらず、専利証書の番号の表示が視認できない上、ウェブページの公開日が2010年10月22日であったため、被告が被疑侵害品を製造していた2003年3月から2004年3月の間に専利証書の番号が表記されていたことの証拠とすることはできないとした。

    上記を総合すると、製品のサイズや専利の性質により製品に専利証書の番号を表示することが困難である場合、「ウェブページに表示する」ことは専利法第98条が許容するところであることがわかる。つまり、台湾の裁判所としては、ウェブページが専利法の条文に列挙されている媒介でないことを理由に、ウェブページにおける専利証書の番号の表示が適法な専利証書の番号の表記と看做されないことはないが、裁判所が、ウェブページの内容、とりわけウェブページにおける表示の内容と専利に係る物との間に明瞭な関連付けがあるかどうかについて、実質的判断を行うことがうかがい知れる。

    このことから、専利権者がウェブページに専利証書の番号を表記する場合は、明瞭な関連付けを示すために、専利証書の番号を表記する他、その専利で保護しようとする物を明瞭な方法で表記することが望ましい。また、専利証書の番号を表記するためのウェブページを、一般の民衆が容易にアクセスできる状態にしておく上、ウェブページに対する一貫性のある管理や更新を行う必要もある。そうであれば、専利証書の番号を表示する義務を尽くしたと認定させるほどの、専利権者に有利な心証を裁判官に持たせることが可能であろう。

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