無効審判過程において、専利権者と審判請求人の両者が何度も意見書や答弁書等を提出したり、複数にわたる訂正請求や訂正取下げの手続きを取ったりすることで、審決までの時間が引き延ばされることを避けるため、知的財産局は2019年に無効審判関連の条文を改正した。
そして、施行後1年を経て、知的財産局は直面した課題についてまとめ、関連する実務探究を提供した。そのポイントは、下記の通りである。
(1)改正後の条文では、「無効審判請求人が理由又は証拠を補完するときは、無効審判請求後3ヶ月以内に行わなければならず、期限に遅れて提出したときは、斟酌しないものとする。」と規定されている。この3ヶ月という理由又は証拠の補完期限に対し、局側は非常に厳格な態度をとっている。
規定により、専利の出願及びその他の手続において、書面で提出するときは、書面が専利主務官庁に届いた日を基準とし、郵送の場合は消印に記載された日付に基づくとされている。実務で発生した例として、審判請求人が3ヶ月という期限の当日に理由補充書の配達を、郵便局ではなく民間のバイク便業者に依頼し、局側は期限から3日経った後にその書類を受け取った。その結果、この理由補充書は受理されなかった。
具体的に言うと、審判請求人が審判を請求してから3ヶ月以降に自発的に補完した証拠については、その証拠が案件の状況を明確にさせるために役立つと審査官が認め、審判請求人に意見の陳述を求める場合に限り、審判請求人が案件の状況を明確にさせるための限定的な範囲内で説明をすることが認められる。そして、その他の状況では、斟酌されないことになった。
(2)改正後の条文では、「無効審判の審理期間において、専利権者は、通知を受けて答弁ができる期間内、答弁の補充ができる期間内又は応答期間内に限り、訂正を請求することができる。ただし、特許権が訴訟に係属している場合はこの限りでない。」と規定されている。
つまり、無効審判の審理期間内で専利権者が訂正を請求することができるタイミングは、局側の通知に対する答弁・答弁の補充・応答の期間内であり、それ以外の時期に請求した訂正は受理されないことになった。ただし、特許権が訴訟に係属している場合、専利権者は上記のタイミングでなくても、請求済みの訂正について説明を補充したり、2回目の訂正を請求したりすることができる。その場合は、裁判所が訴訟を受理した証明書類を添付しなければならない。
また、もし応答期限を過ぎてから答弁や訂正の請求をした場合、応答期限後から無効審判審決前までになされた答弁の内容は斟酌しなければならないと規定されているものの、訂正については提出可能な時期でないとして受理されないことになる。とは言え、専利権者が提出した答弁内容がその訂正の内容に基づくものである場合、訂正が不受理になると審査官が答弁内容を実質的に斟酌することができなくなってしまう。
この状況においては、審査官が改めて専利権者に現状の専利公告に基づいて答弁をするよう通知をする。そして、専利権者がこの答弁期間内に再度訂正を請求すれば、提出された訂正書面が法定の訂正可能時期に提出されたものとなり、審査官がこの答弁と訂正を併せて斟酌することができるようになる。
まとめると、無効審判請求後において、審判請求人は理由又は証拠の補充を確実に審判請求後3ヶ月以内に行うようにすべきである。そして、専利権者は、訴訟に係属している場合を除き、訂正可能な時期をしっかりと把握しておくべきである。