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設計の侵害有無判断時における全体的構成の重要性

    『専利権侵害判断要点(原文:專利侵權判斷要點)』の規定により、設計専利権の侵害の有無について、外観が同一又は近似であるかを判断する際には、全体を観察して総合的に判断することができる。そして、特に注意を引く箇所や特徴を重点として、その他の特徴と併せて、視覚的印象に混同が生じるかどうかを総合的に考量する。

    近頃、知的財産裁判所はある設計専利侵害訴訟において、全体的構成の方式が一体成型であるということも設計の特徴として、差異を判断する要点とし、視覚印象が混同するかどうかを比較している。

    本件について、以下にて説明する。

  1. この設計専利侵害訴訟において、係争専利は、左側と右側に異なる長さと勾配のスロープが設けられ中間がまっすぐな、一体成型の平均台スロープの設計で、フラットで細長いデザインである。そして、侵害が疑われる物品(以下、「イ号物品」という。)は、左側と右側が同じ長さと勾配のスロープである組み合わせスロープで、左側スロープと右側スロープと中間平面台の3つの部材からなり、全体的に見るとフラットで細長いデザインである。
     
  2. 全体を観察・比較し、知的財産裁判所は係争専利とイ号物品の「差異特徴」は下記の通りであると認めた。
    特徴a:係争専利の左側と右側は、異なる長さと勾配のスロープであり、イ号物品の左側と右側は、同じ長さと勾配のスロープである。
    特徴b:係争専利は一体成型の単一部材であり、イ号物品は左側スロープと右側スロープと中間平面台の3つの部材からなる。

  3. 知的財産裁判所は、イ号物品は平均台スロープであり、そのスロープの長さと勾配はこれらの商品において「注意を引きやすい部位又は特徴」である。イ号物品の「左側と右側が2つの同じ長さと勾配のスロープ」は、係争専利の「2つの異なる長さと勾配のスロープ」の形状特徴と全く異なり、かつイ号物品の「左側スロープと右側スロープと中間平面台の3つの部材からなる」ということも、係争専利の「一体成型の単一部材」とは明らかに区別でき、両者は視覚的印象が混同するには至らない。
     
  4. たとえイ号物品と係争専利の全体的外観がいずれもフラットで細長いものであっても、ランニングバイク教室で用いられることを考えると、その勾配の大きさや長さはいずれもランニングバイクの難易度や練習目標に関わり、該分野で重視される特徴である。そして、この部分の設計の相違が即ち明らかに異なる視覚的印象を与える。また、係争専利は「一体成型」による設計であり、左右両側が同じ長さのスロープで、中間が平面の長方体といった3つの部材からなるものではない。その外観が人に与える印象は異なり、たとえ機能と用途が同じであっても一般消費者がこれらの商品を選択・購買する際に区別することは難しくなく、混同を生じることもない。したがって、イ号物品と係争専利の外観は同一でなく、似通ってもいないため、原告の訴えを棄却する。

上記の知的財産裁判所の見解から、イ号物品が一体成型であるか否かも、係争専利の外観形状と同一又は近似であるかを判断する重要な要素であることがわかる。そして、このような要素により、たとえその機能又は用途が同じであっても、人に与える印象が変わるだろう。

このような相違が全体的な視覚的印象を変えてしまうと、一般消費者が選択・購買する観点から見て、区別しがたいとは言えない。また、全体的な外観が混同することもなく、異なった印象を与えると言え、これは専利権者や被疑侵害者が訴訟で注意すべき点である。

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