台湾経済部知的財産局(以下は、知財局と称す)は、2019年6月11日に、実用新案技術評価書の通知手続きの改正措置を制定し、2019年7月1日に施行した。新たな改正措置により、実用新案権者の意見を述べる機会がさらに増え、特に将来的に改正専利法が施行されると、実用新案権者は、知財局審査官が実用新案技術評価書における考案の有効性についての評価に応じて訂正を請求することができるようになり、まさに注目すべき変革である。
改正前の制度では、実用新案の技術評価書が請求された際、当該考案の請求の範囲におけるすべての請求項が新規性または進歩性を有しない場合に限り、知財局が「技術評価引用文献通知書」を発行して実用新案権者に通知し、それに対して実用新案権者が意見を述べることができた。しかし、通知書が発行されるのはあくまでも上記の場合に限られ、一部だけが新規性または進歩性を有しない場合は、通知書の発行がなされなかったため、実用新案権者が技術評価書を受領してはじめて知らされる状況も度々見られた。それがこの度の改正措置により、考案の請求の範囲におけるいずれか一つの請求項でも新規性または進歩性が欠如すると審査官により判断されると、その時点で「技術評価引用文献通知書」の発行がなされる運びとなった。これにより、実用新案権者は、そのような場合でも審査官の判断に対して意見を述べることができるようになった。
また、改正前の制度では、実用新案権者が「技術評価引用文献通知書」の内容に対して意見を述べた後に、改めて実用新案技術評価書作成の請求があったとき、報告の基となる内容が変動する場合(例えば審査官が引用しようとする先行技術文献を変更、若しくは当該考案の請求の範囲について訂正が許可される等)を除き、原則として「技術評価引用文献通知書」の再発行はなされなかった。しかし、新たな改正措置では、審査官が初回の実用新案技術評価書において否定的に評価した請求項について、二度目に技術評価書が請求された際に同様に否定的な評価をした場合も、再度「技術評価引用文献通知書」を発行し、実用新案権者に意見を述べるように促すことになる。そのため、知財局は、今後每回の実用新案技術評価書発行時に否定的な評価をしさえすれば、権利者に連絡して、意見を求めることになる。
最後に、2019年5月1日に成立された改正専利法の第118条(現時点ではまだ施行されていない)において、実用新案の訂正を請求できる時期についても緩和されている。即ち、実用新案は、無効審判係属中、実用新案技術評価書請求中、及び訴訟係属中においても訂正請求ができるようになり、知財局は当該訂正に対して実体審査を行うことになる。そのため、この度の知財局の措置改正と、改正專利法の施行により、実用新案権者は、いずれかの請求項に対する否定的な評価に対して「技術評価引用文献通知書」を受領した際に、知財局が引用した文献を参照して適宜に訂正請求をすることができるようになる。この度の変革は、実用新案権者がその権利の有効性を守る機会が尚一層増えるというメリットがある。
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