台湾における専利無効審判の審理は、これまでずっと書面審理を原則としてきた。審決後、一方の当事者が審決に不服である場合は、訴願法に基づき、訴願管轄機関(経済部訴願委員会)に訴願を提起することができ、訴願の決定に不服である場合は、知的財産裁判所に行政訴訟を提起することができる。行政訴訟において訴えが斥けられた場合、さらに最高行政裁判所に上訴することができる。
近年、知的財産局(以下、知財局)は、専利無効審判の透明性、衡平性を確保し、より信頼性のあるものとするために、将来的に口頭審理に切り替えることを検討している。今般、行政手続法において行政機関におけるヒアリング制度の関連規定が設けられ、2018年3月30日に「専利無効審判におけるヒアリングガイドライン」が広告、施行された。このヒアリング制度の大きな特徴は、行政手続法の規定によりヒアリングが実施され、その後の処分に対し不服がある場合は、訴願を経ることなく、直接、知的財産裁判所に行政訴訟を提起し、救済を求めることができる点である。
この「専利無効審判におけるヒアリングガイドライン」によるヒアリングの実施には、(1)係争事件の当事者からの請求により実施(2)知財局が職権により実施、の二つの場合がある。詳しくは下図を参照されたい。知財局はヒアリング実施日の30日前に書面にて当事者に通知し、ヒアリングが行われる事件につき、事件の内容、当事者、ヒアリングの日時及び場所等をウェブサイト上で広告する。
当事者は以下のことに注意しなければならない。
- 当事者がさらに理由又は証拠を提出したい場合、通知の受領後10日以内に当事者及び知財局に送付しなければならない。
- ヒアリングは原則として公開である。ただし、当事者が通知の受領後10日以内にヒアリングの非公開を申請した場合、ヒアリングの進行役はヒアリングの全部又は一部を非公開とすることができる。
また、利害関係人は、ヒアリング広告後20日以内に証明書を付した申請書を知財局に提出して、ヒアリングに参加することができる。第三者もヒアリング実施前に、知財局のウェブサイトからヒアリングの傍聴を申請することができる。

ヒアリングは3人以上の審査官の合議体で行い、その中の一人をヒアリングの進行役に指名する。ヒアリングは、まず当事者双方に争点の事実認定を行った後、双方に対し質疑応答を行う。審査官は質疑応答の結果を踏まえ、合理的に判断を下し審決内容を決定する。
知財局は、無効審判にヒアリング制度を導入することにより、無効審判に十分な行政資源を投入し、審査の質の向上及び信頼性の確保を目指したいとしている。
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