台湾の司法院大法廷(中国語名:大法官会議)が2018年2月9日に開かれ、知的財産裁判所の裁判官と技術審査官の忌避規定に対する釈字第761号解釈がなされた。
これは、該裁判所が審理する民事権利侵害訴訟と専利無効審判行政訴訟に関し、知的財産裁判所が2008年7月1日に設立されて以来、初めてなされた大法廷解釈である。
台湾は二元制の訴訟制度を採用している。民事訴訟は民事裁判所が審理をし、行政訴訟は行政裁判所が審理をする。裁判官が過去に関連する民事訴訟の審理に携わっていた場合、その後の関連行政訴訟において予断のリスクが生じることを避けるため、行政訴訟法第19条第3号では、裁判官が行政訴訟に係わる民事訴訟に関与していたとき、自ら該行政訴訟の審理職務から忌避すべきと規定している。つまり、ある専利侵害民事訴訟の審理をした裁判官は、その後該専利無効審判の行政訴訟に係わることができないというものである。
しかし、この厳格な忌避要求に関し、知的財産裁判所が関連法令を制定する際、忌避する必要が無いと適宜に緩和をした(知的財産案件審理法第34条第2項)。審理法の立法理由において、知的財産案件は高度な専業性と特殊性が求められるため、同一の知的財産権から派生した各種の民事・刑事及び行政訴訟事件について、同じ裁判官が取り扱ってもよく、そうすることで判断相違を避け、裁判所の見解の一致性に繋げることができるとしている。
言い換えると、審理法では忌避を求めないのみならず、逆にこのような同じ専利権に係わる権利侵害民事訴訟及び関連無効審判行政訴訟は、同じ裁判官が取り扱うことで、判断が一致し、迅速に紛争を解決できるとしている。また、審理法において、技術審査官の忌避についても、裁判官の忌避の規定を準用すると規定されている。
大法廷では、上記の審理法の立法政策を尊重し、審理法の忌避を緩和する規定を合憲としている。台湾知的財産裁判所は、専利権侵害民事訴訟第一・二審及び専利無効審判行政訴訟の一審を管轄している。しかし、目下のところ裁判官数はわずか16名であり、技術審査官もわずか13名である。実際においても上記行政訴訟法第19条第3号の高レベルな忌避要求を達成することは難しい。この為、大法廷の合憲解釈も一つの現実に沿う手法と言える。
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