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ニュースレター

写真のオリジナリティがどのように認定されるか

   2008年に台湾で、少々興味深いニュースがあった。
   当時の与党のある国会議員が「監察院」という国の機関に赴いた際、野党の支持者に白昼堂々人前でかつらを取られるというものである。その光景は、ちょうど現場にいたマスコミの記者に写真を撮られており、この某新聞社が撮った写真が無断で他の新聞社に使用されたため、その写真を巡って著作権侵害訴訟に発展した。そして、その写真に「オリジナリティ」(中国語原文:原創性)があるかどうかが、その訴訟における争点の一つとなった。
   その争点の判断について、第一審と第二審では、その写真にオリジナリティがあると認められており、台湾の最高裁判所も今年一月の106年(2017年)度台上字第775号判決でその写真にオリジナリティがあるとの認定を維持した。最高裁判所の見解は、[著作物に「独創性」(即ち著作者が自ら創作したものであり、他人の著作物を剽窃したものではないこと)及び「創作性」(即ち創意が一定の高さに達したこと)の二つの要件がある場合、著作権法により保護される著作物に属する。写真にいたっては、写真撮影者が撮影時にどのような構図であるか、どのような向きの光を選ぶか、どのようにフォーカスを調整するか、又はどのようにシャッタースピードを制御するかにおいて、独自で考案した創意があり、且つ創意が一定程度の高さに達した場合、その写真が著作権により保護される著作物に属する。] というものであった。一方、原審の見解では、[写真撮影者が問題となる写真の撮影に当たり、個人の精神、感情、思想を注いでいるため、著作権法に求められる最低限の創意を有し、オリジナリティがある]と認めた。

   これまで台湾の最高裁判所が審理した案件では、オリジナリティについて判断したものが少ない上、数少ない案件においても創作性がないと認定された案件のほうが多い。例えば、91年(2002)度台上字第3964号判決で、最高裁判所は、審理の対象となる写真がただ受賞メダルを忠実に写し、製品の受賞歴を説明するために包装箱に掲載されるためのものでしかないため、オリジナリティがあると言い難く、著作権法より保護されないと判断した。また、97年(2008年)度台上字第6410号の案件で、上告人は、写真を撮影した時に蝶結びのリボンをメダルに付けた上、偏光フィルターで反射光を除去し、明るくはっきりとした写真を撮っていたため、オリジナリティがあると主張した。しかし、最高裁判所の判断では、[蝶結びは日常生活上ごく普通なものであり、例えばシャツにつける蝶ネクタイ、観賞用の花につける蝶結びなどはよく使用されている飾り物である。そして、偏光フィルターを使用する目的がある表面(例えば空、水面、窓ガラス)から反射してくる光の除去にある一方、被写体が明るすぎるように被写体そのものから反射してくる光を除去するに当たっては、撮影ボックスを利用したり、光を柔らかくしたりする方法が用いられる。この案件における審理の対象となる写真について、上告人はただ受賞メダルを充分な光があり且つ直接照明がない環境に置いてそのまま撮ったのみで、たとえ写真撮影時に偏光フィルターを使用したとしても、その構図、撮影の角度、光源の明るさ、シャッタースピードの調整、若しくはフィルムの編修、現像には写真撮影者の個性が感じられるほどの独自性のある思想や感情を表現していないため、オリジナリティがない]と認定した。

   上記を総合すると、現在の裁判所の見解では、写真著作物にオリジナリティがあるかどうか認定するにあたって、創意が一定程度の高さに達したかどうかに関する判断は、やはり案件の具体的な内容によると言える。ただし、写真撮影者が「どのように撮影の創作に独自性のある思想や感情を表現しえたか」を訴訟で詳しく説明するほど、「創意が一定程度の高さに達する」という審査基準を満たす可能性が高くなることが伺える。

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