先日、台湾の中古品販売業者が、インターネット上で「LV」商標を表示する中古商品を掲載・販売していた。「LV」商標の商標権者であるLouis Vuitton Malletier社(以下、LV社という)は、その台湾の業者が販売する商品が模倣品であるとして、その台湾の業者を被告として台湾の知的財産裁判所に商標権侵害訴訟を提起した。
知的財産裁判所は、本件を審理した後、2017年11月に民事判決 を下し、被告がLV社の商標を侵害したと判断した。
この判決には、「真正品か模倣品かを鑑定する報告書の信憑性」、及び「どのように被告の過失を判断するか」の二つの注意すべき点がある。
本件の被疑侵害品が真正品か模倣品かを鑑定するにあたり、原告と被告が各々鑑定人に依頼した結果、被告側の鑑定では真正品、LV社側の鑑定では模倣品であるとする全く反対の結果が出た。
LV社に依頼されて鑑定を行った者は、LV社に在籍する、商品の鑑定を担当する従業員であった。このLV社の鑑定人は、その鑑定の方法が営業秘密に係るとして、どのようにLV社側の鑑定結果に至ったかを裁判所に説明することを拒否したため、被告がその鑑定結果に関して質疑することができなかった上、裁判所も自ら又は第三者に依頼してその鑑定結果の合理性について判断することができなかった。
裁判所は、最終的にLV社側の鑑定結果を採用し、被疑侵害品が模倣品であると認定したものの、被告が営業秘密を理由に、商標権者が行った鑑定の正確性に関して質疑できないようにしたことに対し、疑念を呈した。
そもそも、「権利の消尽」の理論によれば、中古商品の流通は合法的で、商標権者はこれを干渉してはならない。商標権者が商標権侵害訴訟の一方当事者である上に、商標権者が発行する鑑定報告書が真正品か模倣品かを判断する際の唯一の根拠とされる場合、自ずと商標権者が中古商品市場の存亡を左右するようになり、これは「権利の消尽」の理論と多少矛盾すると言わざるを得ない。台湾の商標法の第71条第1項第3号によれば、商標権者は摘発された商標権侵害に係る商品の販売単価の千五百倍以下の額を損害賠償額とすることができるとあるが、上記の疑念があるので、今回の判決理由において裁判官は、被告の利益とのバランスを図るために、損害賠償額とする販売単価の倍数を減じるよう酌量する必要があると強調した。
さらに、被告の故意又は過失に対する認定に関して、裁判所は、被告が高級ブランドの中古品販売を業務とする以上、善良な管理者の注意義務を負わなければならないと判断した。
本件において、被告は中古品の取引記録を保有せず、真正品かどうかを鑑定する専門的知識を積極的に学ぶこともしていなかったため、裁判所は、被告が善良な管理者の注意義務を尽くさず、インターネットにおいて被疑侵害品を販売したことでLV社の商標権を侵害したことに過失があると認定した。
上記の判決の内容を受け、真正品であるかどうかの認定が完全に商標権者側の鑑定に左右されるという状況の下、中古品取引業者は、模倣品を販売したとして商標権者に訴訟を起こされた場合にも対処できるようにするため、絶えず真正品と模倣品を見分ける技能を習う必要があるほか、中古品の取引記録をしっかりと保存しておくべきと思われる。
-----------------------------------------------------------------------
本ウェブサイトのご利用に当たって、各コンテンツは具体的事項に対する法的アドバイスの提供を目的としたものではありませんことをご了承下さい。