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台湾における実体審査繰延期間の緩和後の利用状況

    出願人が実体審査繰延制度をより全面的に活用し、特許ポートフォリオの構築及び特許の商品化に向けた準備を進めていくために、2026年1月1日から特許及び意匠登録の出願の審査繰延期間がさらに緩和されている。

    くわしく説明すると、特許出願の審査繰延期間は、以前の出願日起算満3年から満5年に延長され、意匠登録出願の審査繰延請求期間は、以前の出願日起算満1年から満2年に延長されている。

    この度の改正では、実体審査の繰延請求について、各案件につき1回に限られることや、当該案件について第三者が実体審査を請求した場合や、特許審査ハイウェイ(PPH)等の早期審査が請求されている場合には、本制度を適用できないことも明文規定されている。

    この改正が施行されてから半年後、知的財産局は2026年7月から8月に開催した座談会において、以下の資料を公表した。

    上記の資料から分かるように、特許について実体審査の繰延を請求した案件数は、2024年に80件、2025年に89件であり、そのうち、3年間の繰延を請求した案件はいずれも12件で、割合としてはそれぞれ15%と13%であった。2026年1月1日に繰延期間が5年に延長された後は、繰延が請求された件数がわずか6か月の間に276件にのぼり、そのうち繰延期間として満5年を請求した案件は225件に達し、割合は82%を占める結果となった。このことから、満5年の審査繰延を請求した出願が、従来に比べて大幅に増加したことが分かる。

    意匠登録については、審査繰延を請求した案件数が、2024年に316件、2025年に117件であり、1年間の繰延を請求した案件が全体の8割であった。しかし、2026年上半期の請求件数は96件であり、繰延期間が2年に延長されたことによる案件数の大幅な増加は見られなかった。さらに、満2年の繰延を請求した案件比率は30%未満であった。

    次に、審査繰延を請求した案件の性質を見ると、特許出願で審査繰延が請求された案件は、その主分類番号から、2024年と2025年のIPCの上位3位がH10D、H10F、H10Jであった。しかし、2026年(4月までの統計)では、H10N、H10D、H10W等の案件が上位3位となった。

 このように変化は有るものの、特許出願の審査繰延はH10(半導体関連技術分野)に集中していることは明らかである。また、意匠登録については、12-16の車両部品関連が3年連続第1位で、最も多い状況である。

    上記の統計から、実体審査の繰延期間の緩和は、意匠案件についてそれほど大きな影響を与えていないように見受けられる。一方で、特許出願については、その利用状況が大幅かつ実質的に増加していることが分かる。

    これは、改正前は審査繰延を請求できる期間と審査請求期限がいずれも出願から3年であったことで、審査繰延制度の実益が大きくなかったことに起因するかもしれない。

    しかし、改正施行後は審査繰延期間が出願日起算5年に延長されたことで、その機能を十分に発揮できるようになったと言える。このことも特許出願において本制度を利用する案件が大幅に増加した理由となっている可能性がある。

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