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ニュースレター

総合商品および特定商品小売サービスにおける商標使用の事例報告

    台湾知的財産局(以下「知財局」という。)が公表した小売サービス審査基準によれば、商標は「総合商品小売サービス」と「特定商品小売サービス」を指定役務として使用することができる。両者の違いは、集約して販売する商品の種類の多寡だけでなく、主に特定の専門店形式で商品小売サービスを提供しているか否かにある。両者は経営形態が異なるため、一般的な市場の取引実態に照らせば、出願人が同一の販売チャネルにおいて、非専門店形式と専門店形式の両方で商品小売サービスを提供することは考えにくい。すなわち、出願人が同一の商標を異なる販売チャネルで個別に使い分けたい場合を除き、一つの商標出願において総合商品小売サービスを指定しているならば、同時に特定商品小売サービスを指定することはないのが通常である。したがって、一つの登録商標が「総合商品小売サービス」と「特定商品小売サービス」の両方を指定していることはあり得るが、実際に使用する際には、それぞれ個別に使用証拠を保存しておくよう注意が必要である。

    先日、知的財産及び商事裁判所(以下「知財商裁」という。)において、商標の3年不使用による取消に関する審決取消訴訟判決(114年度行商訴字第27号判決、判決日:2026年1月8日)が下されている。参考となる事例として以下にて紹介したい。

    本件において、係争登録第1511906号「」商標(以下「係争商標」という。)は、第35類において、百貨店、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ショッピングセンターなどの総合商品小売サービス、および家庭日用品小売卸売、化粧品小売卸売、タバコ小売卸売、酒類小売卸売などの特定商品小売サービスを指定・使用していた。2022年7月14日、第三者が係争商標の指定役務のうち「タバコ小売卸売」について、連続して3年間使用されていないという主張に基づき、不使用取消審判を請求した。

    商標権者は、2020年9月に係争商標を用いて量販店「愛買台中水湳店(以下「愛買水湳店」という。)」を開設したことに関するニュース、チラシ、写真、クーポン、フロアガイドおよび案内看板の写真、一階平面図などの使用資料を提出して反論した。

    知財局における審理の結果、提出された証拠は、不使用取消審判請求前の3年間に商標権者がショッピングセンターや量販店などの総合商品小売サービスに係争商標を使用していたことを証明するには十分であると判断した。しかし、提出された写真において、一部のフロアにタバコ専門販売区域が設けられていることは確認できるものの、撮影日が不明であり、当該区域がいつどこに設置されたのかを特定できなかった。また、当該タバコ販売区域において、提供されるタバコ小売サービスを示し、消費者に係争商標が各ブランドのタバコを集約して提供するサービスであることを認識させるための「HYPER」商標の案内看板は見当たらなかった。なお、添付されたタバコ販売の明細書には販売日が記載されていたが、これは商標権者が自作した表であった。

    以上の証拠を総合すると、本件の不使用取消審判請求前の3年以内に係争商標が「タバコ小売卸売」サービスに使用されていたと認めることは困難であり、「タバコ小売卸売」サービスは取り消されるべきであると結論付けた。

    商標権者はこれを不服として訴願(行政不服申立て)および審決取消訴訟を提起した。そして、知財商裁による審理の結果、次のように判断された。

    「菸害防制法(タバコ害防止法)」の規定により、台湾ではタバコの販売チャネル、場所、警告表示、展示方法および販売対象に厳しく制限が設けられている。商標権者が提出した、あるユーチューバーが2021年4月10日にアップロードした動画を参考すると、商標権者が開設した愛買水湳店では、別々に一般的な総合商品の会計エリアとタバコ販売専門区域および独立した会計エリアが設けられていた。これは「菸害防制法」の販売制限規定を守り、総合商品小売チャネルと区別するためです。この事実により、商標権者は同一場所において総合商品小売サービスを提供する以外に、特定商品であるタバコの販売サービスを併せて提供する意図があったことは明らかである。加えて、愛買水湳店が各時期の宣伝DMの表紙、フロアガイド、案内看板に「HYPER」商標を使用しており、2020年9月のオープン以来、対外的にタバコ小売サービスを提供し、実際にタバコを販売していた事実に照らせば、関連消費者が、愛買水湳店が係争商標を特定商品であるタバコ小売サービスに確実に使用していると認識するのに十分である。したがって、係争商標は不使用取消申請前の3年以内にタバコ小売卸売サービスに使用されていたと認められる。

    知財商裁は特に、提出されたDMの表紙やフロアガイド等にタバコに関する広告宣伝や看板展示がなかった点について、これは「菸害防制法」の制限規定によるものであると指摘した。愛買水湳店が店内に別途販売専門店区域を設け、タバコ購入チャネルを提供しており、かつ店舗のマーケティング宣伝において係争商標を使用している以上、一般的な商業取引の慣習および社会共通の考えに基づけば、関連消費者は、係争商標が総合商品小売サービスだけでなく、タバコ小売卸売サービスにも確実に使用されていると認識するのに十分であるとした。

    知財局は前述の小売サービス審査基準を公表しているが、実務的に、商標登録において総合商品小売サービスおよび特定商品小売サービスを同時に指定することを拒絶してはいない。

    ただし、(1)使用証拠を審査する際、知財局は「総合商品小売サービス」と「特定商品小売サービス」の特性に基づき個別に判断している。総合商品小売サービスの使用証拠を特定商品小売サービスの使用証拠とすることはできず、その逆も同様である。

    (2)本案において、知財商裁は量販店による各期の宣伝DMなどの使用証拠を、係争商標をタバコ小売卸売サービスに使用したかどうかの総合的な判断に含めている。しかし、これは、「菸害防制法」がタバコのマーケティングを制限しているため、商標権者がタバコ小売卸売サービスを積極的にマーケティングしたり、関連する広告やチラシなどを制作したりすることが法的に許されないという事情によるものである。もし他の特定商品の小売サービスであれば、このような総合商品の卸売と小売を包括した使用証拠は依然として排除されたであろう。

    (3)したがって、商標権者は特定商品の小売サービスに関して個別の使用証拠を提示すべきであり、総合商品の卸売・小売の使用証拠をそのまま援用することはできないと言える。

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