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産地名称は商標として登録されるのか?

    商標法第29条第1項第1号によると、指定された商品や役務の品質、用途、原材料、産地または関連特性を記述したものだけで構成される商標は、登録を受けることができないとされている。

    したがって、客観的に見て、出願された商標が関連消費者に係争商標の提供する商品や役務が「ある特定の産地に由来する」という直接的な連想を生じさせる場合、商標としての識別性が欠如し、前述の条項が適用される。

    その原理は、出願人に産地名称に対する排他的独占権を与えると、競合他社が取引過程でその産地名称を商品や役務の原材料や産地特性の説明として使用できなくなり、市場での不公平な競争を引き起こすことが挙げられる。

    ただし、同法の第29条第2項によれば、「前項第1号または第3号の状況があっても、出願人の使用により取引上において、出願人の商品または役務の識別標識となっている場合は、適用されない」とされている。

    これにより、先天的識別性のない標識であっても、出願人が当該標識を市場で使用した結果、関連消費者がそれを特定の出所を示す識別標識として認識するに至った等、後天的識別性を得たことを証明できれば、登録が認められる可能性がある。

    知的財産及び商事裁判所は、先般下された113年行商訴字第40号の判決で、このような見解を認めている。

「YORKSHIRE TEA」件についての事実背景

    ベティーズ・アンド・テイラーズ・グループ・リミテッド(以下、B&T社という)は、2017年に「YORKSHIRE TEA」という商標を知的財産局(以下、知財局という)に登録出願し、第30類の「ティーバッグ;ハーブティー;茶;草本植物茶;フルーツティー;ティーバッグ;アイスティー」などの商品を指定した。

    知財局は審査過程で、係争商標が「YORKSHIRE TEA」という単純な外国語で構成されており、消費者に商品がイギリスヨークシャーからのものであると認識させるだけであり、指定商品の産地または関連特性の説明に過ぎず、さらにそれは競合他社も使用を要するものであるため、第30類商品を指定使用するときに、関連消費者にそれが商品の出所を表す標識であると認識させるには、不足であるとした。そして、知財局は拒絶理由通知書を発送し、B&T社に意見書の提出を要求した。

    B&T社が応答し関連証拠を提出した結果、知財局は係争商標がB&T社の使用により取引上において指定商品の識別標識となっていることを認め、商標法第29類条第2項に基づき、登録を承認した。

    その後、2022年に馥餘実業株式会社(以下、馥餘実業という)が、係争商標について、該商品の製造地又は生産地がヨークシャーであるという説明として消費者に連想されやすく、商品の出所を区別する標識の機能を果たしていないため、識別性が欠如し、商標法第29類条第1項第1号などの規定が適用されるとして、無効審判を請求した。

    知財局における審理の結果、審判不成立の処分が下された。馥餘実業はそれを不服として訴願を提起したが、なおも棄却され、さらに行政訴訟を提起した。

知的財産及び商事裁判所の見解

    知的財産及び商事裁判所は、係争商標が「YORKSHIRE TEA」という単純な外国語で構成され、第30類のティーバッグ、ハーブティー、草本植物茶などの商品が指定されている点では、先天的識別性が欠けているものの、B&T社が提出した多くの資料から、係争商標「YORKSHIRE TEA」が1977年に創立以来、ヨークシャー地方の水質に適した茶飲料商品に持続的に使用されてきたことがわかるとした。

    また、1992年から2016年の間、イギリスの「Campaigh The National Trust Newsletter」時事通信の記事、イギリスのテレビ番組「Heartbeat」、印刷出版物「THE STAGE」、フィナンシャル・タイムズの公式サイト、イギリススーパーマーケットSainsbury雑誌、「英國泰勒茶的經典_約克夏茶Yorkshire Tea」PIXNETブログ記事、フィナンシャル・タイムズ、イギリスインディペンデント紙など多くの新聞、雑誌、ウェブサイトに「YORKSHIRE TEA」(ヨークシャー茶)商標商品の関連記事や報道が掲載されていることが確認された。

    さらに、台湾で2012年から2017年の間に、少なくない消費者がPIXNET、Udn、ブログ記事で係争商標の商品情報を紹介しており、台湾LOUISA COFFEE店でヨークシャー茶が販売されていることや飲用できるといった情報を発信していた。また、台湾楽天市場、Pchome、momoなどのショッピングサイトでも、係争商標の商品の販売が見られた。

    それに加えて、B&T社が1998年から2017年の間に、アメリカ、オーストラリア、イギリス、カナダ、日本、台湾、韓国、香港、シンガポールの代理店に発行した販売伝票においても、商品パッケージまたは商品説明欄に「YORKSHIRE TEA」という文字が表示されていることが見られた。

    以上のように、前述の実際の使用態様に基づき、知的財産及び商事裁判所は、「YORKSHIRE TEA」が登録時にすでにB&T株式会社により台湾内外で長期的に使用され、取引上においてその商品の出所を表す標識として認識させるに足りるものとなっているため、商標法第29条第2項が適用されると判断した。そして、知財局の審判不成立処分に誤りはないとして、原告の訴えを棄却した。

結論

    商標法第29条第1項第1号は、「産地記述性」を持つ商標の登録を禁止しているが、特定の状況においては、そのハードルは高いかもしれませんが、登録成功の可能性があると考えられる。

    まず、台湾の実務において、「産地記述性」という標識に該当するには、その地理的名称が台湾の消費者によって合理的に関連商品や役務の産地を記述するものとして理解されるかどうかを判断する必要がある。そのため、地理的名称の意味が曖昧なときや比較的辺鄙な場所である場合は、前述の条項が適用されない可能性があると考えられる。

    次に、産地名称が広く使用されたことにより後天的識別性を得たことを証明してみることも考えられる。この場合、応答の成功率を向上させるため、事前に使用の証拠収集を十分に行い、提出する使用証拠の数量、程度、使用期間、及び性質等、それぞれのケースに対して有効的な応答戦略を立てるべきである。

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